神経の形づくりを支える细胞内物流システム?细胞内输送に関わる新しい分子厂迟谤颈辫の発见?研究成果
神経の形づくりを支える细胞内物流システム |
平成26年10月14日
东京大学大学院薬学系研究科
1. 発表者:
千原 崇裕(东京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 准教授)
佐久間 知佐子(东京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 特任研究員)
2.発表のポイント:
◆神経細胞の形づくりを調節する分子としてStripタンパク質を見出しました。
◆Stripタンパク質が細胞内輸送に関わる分子群と複合体をつくり細胞内輸送を制御していることを明らかにしました。
◆Stripタンパク質はヒトにも存在するため、神経の形づくりに関わる基本的な仕組や、神経関連の遺伝病、神経変性疾患などの発症機序の理解に繋がることが期待できます。
3.発表概要:
細胞内に存在する無数のタンパク質が独自の能力を発揮するためには、各々のタンパク質が、 細胞内の適切な場所へ、適切な量、適切なタイミングで運ばれる必要があります。このような細胞内でのタンパク質輸送システムは、細胞の生存や増殖にも関係しており、これまでにも多くの研究が行われてきました。しかし、複雑な細胞突起を持つ神経細胞における細胞内輸送、特に生体内(脳内)における細胞内輸送の研究はあまり進んでいませんでした。
东京大学大学院薬学系研究科の千原崇裕准教授、佐久間知佐子特任研究員らは、慶応大学の川内健史特任講師ら、米スタンフォード大学Liqun Luo教授、米ノースウェスタン大学Vladmir I. Gelfand教授と共同で、神経細胞の細胞内輸送を調節する分子としてStripタンパク質を見出し、その解析により適切な細胞内輸送が神経の形づくりに重要であることを突き止めました。まず、ショウジョウバエを用いた遺伝学的解析により、Stripタンパク質をつくることができない神経細胞の突起が異常に短いことを示しました。さらに解析を進め、Stripタンパク質が細胞内輸送に関わる分子群と複合体をつくり、神経細胞の突起内の物質輸送を調節することで突起の形づくりを制御していることを明らかにしました。Stripタンパク質は、進化的に保存されており、酵母、マウス、ヒトにも存在します。今後、Stripタンパク質の機能を詳細に解析することにより、神経回路形成の仕組み、さらには神経変性疾患の発症機序の理解にも繋がることが期待できます。
4.発表内容:
细胞内のタンパク质は、膜に包まれた状态で、适切な场所に、适切な量、适切なタイミングで振り分けられます。これは细胞内输送とよばれ、さまざまな生理现象の根干となっています。2013年のノーベル医学生理学赏ではこの基本的な机序解明の功绩が赏されました。ノーベル赏を受赏した研究がなされて以降、细胞内输送に関わる分子群は多数同定され、その机序の理解が进んできました。しかし、それら研究の多くは细胞を生体内から取り出した培养系で行われており、生体内、特に実际の脳内の神経细胞における细胞内输送に関する研究はあまり进んでいませんでした。
东京大学大学院薬学系研究科の千原崇裕准教授、佐久間知佐子特任研究員らは遺伝学手法の発達したショウジョウバエをモデル動物として用い、神経細胞の突起、軸索が短くなる変異体ドジ(dogi)を単離しました。dogi変異体を詳細に調べると、Stripタンパク質の量が減少していることが明らかになりました。Stripタンパク質は、酵母、マウス、ヒトにも存在することから重要な役割を持っていると考えられていましたが、その機能はほとんど解析されていません。さらに遺伝学的、生化学的手法を駆使することで、Stripタンパク質が、細胞内輸送に関わるGluedおよびSprintと複合体を形成することを明らかにしました。
骋濒耻别诲と厂辫谤颈苍迟は、细胞内输送の一つの様式であるエンドサイトーシス経路(図1)に関わるタンパク质です。神経细胞の生存や伸长に必要な因子として、神経栄养因子とその受容体によるシグナルがあります。これら细胞表面にあるタンパク质の量や活性を局所的に调节する机构としてエンドサイトーシス経路は重要です。エンドサイトーシス経路は、细胞表面にあるタンパク质を膜(小胞)で包み込むことで细胞内に取り込み、さらに细胞内に取り込まれた小胞は、小胞同士で融合することによって成熟し、取り込んだタンパク质を分解するか、膜表面へリサイクルするかという仕分け作业を行っています(図1)。骋濒耻别诲も厂辫谤颈苍迟も取り込まれた小胞が成熟する过程に寄与しており、骋濒耻别诲は小胞が微小管上を输送される过程、厂辫谤颈苍迟は小胞同士が融合する过程をサポートしています。
今回、骋濒耻别诲と厂辫谤颈苍迟の両者と复合体を形成する厂迟谤颈辫タンパク质を见つけたことにより、小胞の输送と融合は密接な関係にあることが示唆されました。実际に、骋濒耻别诲、厂辫谤颈苍迟がつくれないようにした「骋濒耻别诲、厂辫谤颈苍迟の2重ノックダウン」では厂迟谤颈辫ノックダウンと同様の轴索伸长异常が観察されました。また、厂迟谤颈辫をノックダウンした神経细胞では小胞の局在に异常があることも确认できました。すなわち厂迟谤颈辫は「小胞输送に関わる骋濒耻别诲」と「小胞融合に関わる厂辫谤颈苍迟」の复合体形成の足场となることで小胞成熟に関与し、轴索伸长を制御していることが明らかとなりました(図2)。以上の结果から、轴索が伸长する际のエンドサイトーシス経路の生理的意义が明らかになりました。
本研究より、古典的なエンドサイトーシス経路に新たなメンバー厂迟谤颈辫が関与していることを示し、今后、细胞输送に新たな洞察を与えることが期待されます。また、细胞内输送は神経细胞の形づくりのみならず、神経系の恒常性维持にも重要であるため、恒常性の破绽した神経変性疾患の理解にも繋がると予想されます。
5.発表雑誌:
雑誌名:「Nature Communications」
論文タイトル: Drosophila Strip serves as a platform for early endosome organization during axon elongation
著者: Chisako Sakuma, Takeshi Kawauchi, Shuka Haraguchi, Mima Shikanai, Yoshifumi Yamaguchi, Vladimir I. Gelfand, Liqun Luo, Masayuki Miura and Takahiro Chihara* (*:責任著者)
DOI番号:DOI: 10.1038/ncomms6180
6.问い合わせ先:
东京大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻 准教授
千原 崇裕(ちはら たかひろ)
7.添付资料:
図1: エンドサイトーシス経路の役割
エンドサイトーシス経路において、細胞表面にあるタンパク質の量、局在、そして活性が調節されています。細胞表面のタンパク質は膜(小胞) で包み込まれて細胞内に取り込まれ、取り込まれた小胞は融合によって成熟し、取り込んだタンパク質を分解するか、膜へとリサイクルするかの仕分け作業を行っています。神経栄養因子の受容体のように、シグナル伝達を担う受容体が取り込まれた際は、シグナルの調節も行っています。
図2: Strip タンパク質による小胞成熟は軸索伸長に重要
Strip タンパク質は、微小管上の小胞輸送に関わるGlued と小胞融合に関わるSprint と複合体を形成することにより、エンドサイトーシス経路における小胞成熟を円滑に進めます。
このStrip による円滑な小胞成熟により、伸長中の軸索は、軸索の先端において伸長に関与するタンパク質の量や活性を適切に調節し、正しい場所へと軸索を伸長することができます。

