乳酸、低酸素、集団走に脚スティッフネス……淡青色のランニング関连研究 /箱根駅伝2026记念企画
乳酸、低酸素、集団走に脚スティッフネス&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;淡青色のランニング関连研究
东大陆上运动部の本多健亮选手と秋吉拓真选手が、関东学生连合チームのメンバーとして箱根駅伝(东京箱根间往復大学駅伝竞走)に出场し、2026年新春の箱根路を駆け抜けました。2019年大会の近藤秀一选手、2020年大会の阿部飞雄马选手、そして2025年大会の襷リレーと、特に近年になって何度も大会を盛り上げているのが、东大陆上运动部の长距离阵です。こうした活跃の里には、乳酸计测を核としたトレーニング强度と休息の设定に関する知见と蓄积があります。驹场の身体运动科学研究室とスポーツ先端科学连携研究机构(鲍罢厂厂滨)の研究者への取材を通し、ランニングに関连する东大の研究について绍介します。
「给水おじさん」直伝の乳酸研究をトレーニングに活用
箱根駅伝2025で注目を集めた「给水おじさん」こと八田秀雄先生は昨年度で东大を退任されましたが、鲍罢厂厂滨と身体运动科学研究室、そして陆上运动部では、その薫陶を受けた后辈たちが活跃を続けています。
「八田先生には常にのびのびと育てられました」と语るのは、総合文化研究科の竹井尚也助教。恩师の代名词である乳酸代谢の研究を学び、受け継いできた研究者は、高校时代に100尘で国体3位、早稲田大学时代に4&迟颈尘别蝉;100尘リレーで全日本インカレ2位という実绩を持つスプリンターでした。
「腰のヘルニアで苦しむ日々を経て、修士课程から八田研究室に入り、2016年から陆上运动部のコーチも务めてきました。运动后の血中乳酸浓度変化とパフォーマンスの関係性の研究を部のトレーニングに活用しています」
乳酸は运动で糖を使った际に筋肉でできて血中に出てくるもの。筋肉の状况を间接的に伝えるのが血中乳酸浓度です。运动强度を上げると血中乳酸浓度が急に増える点(尝罢=乳酸性作业閾値)が现れ、さらに强度を上げるともう一つの上昇点(翱叠尝础=血中乳酸蓄积开始点)が出现。この尝罢と翱叠尝础で分ける3ゾーンモデルを轴に负荷と休息を调整することが、パフォーマンス向上につながります。昔から知られるモデルですが、竞技レベルへの応用はあまりなされていませんでした。3分走と1分休を繰り返す选手の指から微量の血液を採取し、分析を进めた结果、わかったのは陆上界の常识と违う事実です。
「単纯に言えば、中强度よりも高强度の运动を増やして休憩を十分取るのがよいということ。选手は休憩を短くして多く走りたがるものですが、本人の感覚とデータという2つの物差しを擦り合わせることが重要です」
箱根ランナーのデータで効果を実証
大きいのは2019年大会で箱根を走った近藤秀一さん(现?コーチ)の存在でした。学业に时间を取られて练习时间が足りず、走行距离も少なかった近藤选手は、2016年から始めた乳酸计测をもとに、効果的なメニューを竹井先生とともに构筑し実践。成果は如実に表れ、他大の选手の6割ほどの走行距离でも十分戦えることを実証したのです。
「データを理解し、他と违う戦略を立て、それをしっかり実行できるのが、东大陆上运动部の长所だと思います」
运动生理学の竹井先生がもう一つ进めているのは、低酸素环境下で运动する际の生理応答とパフォーマンスの関係についての研究。低酸素环境というストレスがかかるとより効果的に筋肉に血を送ろうとして、生理学的な适応が起こり、パフォーマンスが上がるというメカニズムの解明です。鲍罢厂厂滨で整备が进む低酸素室はその格好の実験场。ここでも、高いレベルの竞技者のデータを活用できることがアドバンテージになります。恩师と教え子との関係とは违い、トレーニングではいかに高いストレスをかけるかが重要です。
脚のバネを调节する筋と腱の连携メカニズムに迫る
一方、バイオメカニクス(生体力学)と神経科学を組み合わせて運動メカニズムの解明を進めているのは、学部時代にサークル(LBJ ski team)で基礎スキーに夢中だったという竹下大介准教授。「スキーの動作解析をしたいと思って大学院に進んだものの、雪山での測定は大変と聞いてあっさりあきらめました」と振り返ります。
所属したのはカンガルーのロゴが目印の研究室。先辈が取り组んでいた、周期的な运动中の筋肉に共振が起こって筋线维の长さ変化が小さくなるという研究に刺激を受けたことが、力学?数理モデルを使って身体运动のメカニズムを理解するスタイルにつながりました。
研究テーマの一つが、ジャンプ动作中の脚のバネを调节する筋と腱の连携メカニズムです。しなやかに跃动する选手を「バネがある」と表现することがありますが、走行やジャンプの际は実际に脚全体がバネのように働いているそうです。
「この动作を记述する指标が「脚スティッフネス」です。これが高いほど脚はより「硬いバネ」として机能し、素早い动作が可能になります」
连続ジャンプ実験で见えた新発见
竹下先生は、研究室の博士课程に所属する栗山一辉さんとともに、筋肉と腱の连携を调べるために、テンポの异なる连続ジャンプ(ホッピング)动作の実験を行ないました。栗山さんは东大陆上运动部长距离パート翱叠でマラソン2时间25分台の记録を持つエリートランナーです。膝をできるだけ伸ばすよう被験者に指示し、叁次元动作解析システムとフォースプレートで身体の动きと力を测定。异なるテンポにおける筋-腱复合体の力学的特性を分析すると、兴味深い発见がありました。
「テンポが遅い场合は筋线维がほぼ一定の长さを保つのに対し、テンポが速いと筋线维が力の増加する局面で短缩することで、筋-腱复合体をより硬くしていました。速いテンポに対応するために、脚をより硬いバネとして机能させていたんです」
脚のバネは、筋线维の収缩パターンを変えることで调节されている&尘诲补蝉丑;&尘诲补蝉丑;この知见は、様々な动作における筋线维の役割を理解する新たな视点を提供します。たとえば陆上竞技においては、个々の选手の特性に基づいた最适なランニングの歩幅や接地时间を身につける指导法の开発に応用でき、効率的なフォームの実现に役立つ可能性があります
「筋线维の长さ変化が少ない时にエネルギー効率がよいと考えられ、小型のカンガルーやケニア人のエリートランナーがホッピングした际にそうなっていることを示す研究もあります。ただ、ホッピングとランニングでは复雑さが大违い。今后、理论を一次元から二次元へと拡张したいですね」
陆上竞技の経験はなく、走るのはご子息のサッカーで审判を务める际くらいですが、研究の傍ら身体运动?健康科学実习(スポ身)の教员として実技指导も行なっている竹下先生。毎冬のスキー実习では、学部时代に培った技术で学生たちを教えています。教育と研究の共振は「スポ身」の大きな醍醐味です。
长距离走に効くのは一人か二人かそれとも集団か
箱根駅伝2025で秋吉拓真選手から襷を受けたのが、古川大晃選手です。当時は総合文化研究科身体运动科学研究室の大学院生でしたが、現在は京都工芸繊維大学で特任助教を務めながら年に5回ほどマラソン大会に出場しています。所属する研究室の主宰は村上久先生。歩きスマホと集団の歩行速度の関係を示し、先端科学技術研究センターの西成活裕教授らとともに2021年イグ?ノーベル賞を受賞した認知科学者です。
「博士1年の顷に见た展示会で村上先生の研究を知りました。とても面白くて、すぐメールをお送りしたのを覚えています」
古川さんの研究テーマは自身の経験に基づいています。その一つが、近くを走るランナー同士のピッチが近づく同期现象。感覚的に指摘されることが多いこの现象が実际に起きているのかを确かめ、同期がパフォーマンスにどう影响するのかを调べるものです。
行なったのは、100尘走やマラソンの试合动画解析と、トレッドミルでランナーを走らせる実験。実験では、2人のランナー间に壁を入れ、姿が见えない条件も设定しました。动画解析では、同期现象の存在を定量的に确认。実験では、视覚情报より聴覚情报のほうが同期に影响することが判明しました。姿を见るよりも足音を闻くことから同期が进むわけです。そしてもう一つ、面白い発见がありました。
「生理的负荷と心理的负荷を表す指标を测ったところ、他者の视覚情报が影响していました。他のランナーを见ながら走ると心拍数が下がっていたんです」
意识が外に向かうと负荷が下がる!?
古川さんによると、重要なのは注意の焦点。意识が自分の内でなく外に向かった场合に生理的负荷が下がるようです。先行者の背中を见ながら走ると楽というのはランナーの実感どおりですが、空気抵抗が影响しない条件でのこの结果はやはり発见と言えそうです。
「もちろん先头に立って飞ばしたほうが楽に感じる场合もありますが&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;。今后は、先行者が自転车に乗っている场合はどうなのか、走らず立っているだけの场合はどうなのかなど、条件を変えて调べたいと思っています」
これまでは2人のランナーの関係に注目してきましたが、现在の研究室で过ごすなかで大人数集団の関係にも兴味が広がったと古川さん。注目するのは1万人规模のマラソン大会のビッグデータです。
「全体のラップタイムデータを分析して、集団の密度とフィニッシュタイムの関係を探る计画を进めています。ランナー集団のダイナミクスに迫れれば、と」
东大陆上运动部ではライバルたちと切磋琢磨した古川さん。研究は研究室の仲间の姿を见ながら进めますが、ランナーとしては単独走で心拍数を上げる时期かもしれません。
箱根駅伝2025の「给水おじさん」こと八田秀雄名誉教授よりひとこと
箱根駅伝では応援ありがとうございました。往路復路どちらも东大の选手が走ったというのは、チームとして出た第60回大会以来の42年ぶりのことでした。実は大学院生が箱根を走るには、大学院生でチームを组めることが必要で、それは现状东大しかできないことであり、东大の持ち味が出ています。
こうした活跃には、3人の先生が书かれているように、スポーツ科学の贡献があります。ここで取り上げられていることだけでなく、フォーム分析、装备に関する进歩と改良、トレーニング科学の発展などもまた重要です。また鲍罢厂厂滨の研究には、运动で健康増进を目指す内容も大事なことです。今后、竞技スポーツと健康増进のための运动と、どちらについてもさらなる成果を上げていただきたいと愿っています。
もちろん东大スポーツの竞技力の向上にも期待しています。それには练习施设の充実も必要です。驹场の陆上グラウンドは去年の东京世界陆上で投掷种目の练习会场として使われています。しかし全体としては东大の运动施设は、他大学に比して必ずしも充実しているとは言い难い面があります。东大スポーツの强化に必须の运动环境の维持向上には、今や卒业生の寄付が重要というのが现実です。箱根駅伝では、多くの方に沿道で応援していただきました。これをきっかけに寄付の充実による运动施设の进化にも繋がってほしいと愿っています。

スポーツ科学の研究を通じて竞技力の向上や理解の深化を図り、幅広い人々の心身の健康问题に取り组むことをミッションとして、2016年に设立された组织です(机构长:野崎大地)。2024年以降、、、という3つの寄附研究部门を设置。スポーツに関わる教育?研究を通じた社会贡献を标榜する东京大学の先头を走っています。


