だます、嘘を见抜く、説得する&丑别濒濒颈辫;&丑别濒濒颈辫;「人狼」をプレイする人工知能とは?
チェス、将棋、囲碁といったゲームのトッププレイヤーに胜利してきた人工知能(础滨)。
次の挑戦として鸟海不二夫先生が选んだのが「人狼ゲーム」。
相手の嘘を见抜いたり、説得したりという高度なコミュニケーション能力が求められるゲームです。
人狼ゲームをプレイできる础滨开発の取り组みなどを绍介します。
「村人阵営」と「人狼阵営」に分かれて、村人を装った人狼を会话の中から探るゲーム。全ての人狼を追放できれば村人の胜利。全村人が袭撃(追放)されれば人狼の胜利です。
不完全情报ゲームへの挑戦
工学系研究科教授
TORIUMI Fujio
2013年に「人狼知能プロジェクト」を立ち上げました。「人狼ゲーム」をプレイする础滨を集合知的に开発するためのプラットフォームです。そろそろ础滨が将棋や囲碁のトッププロを超えそうだということが明らかになってきた时期でした。人工知能の発展に寄与してきたゲームプレイング础滨の次のテーマとして、私が目を付けたのが人狼ゲーム。村人たちの中に潜んでいる人狼が谁なのかを推理し追放するゲームです。
囲碁や将棋といった盘面に全ての情报が公开されている「完全情报ゲーム」と违い、人狼ゲームは「不完全情报ゲーム」です。多くの情报がプレイヤーによって隠されているため、他のプレイヤーがどういう状态なのか分からない。会话をしながら相手の正体を见抜いていくコミュニケーションゲームなので、记号化できない情报がたくさんあります。高度なアルゴリズムが必要で、难易度が高い。また「だます」、「嘘を见抜く」、「説得する」といった能力が求められるため、会话を理解する新しい人工知能の开発のためにもよい题材になると考えました。
研究としては、ゲームの构造やどのようにプレイされているのかを理解するために、人狼ゲームサイトのデータ全てをスクレイピングしてデータベースを作り倾向を分析しました。当时は自然言语で会话する技术を使うことはハードルが高かったので、人狼用の简易言语「人狼プロトコル」を用意して、ある程度记号化できるような状态に一回落とし込んでから础滨にプレイさせるプラットフォームを开発。多くの人に参加してもらいたいと、2015年からは础滨同士で対戦する「人狼知能大会」を开催してきました。最终的な目标は、人间と対面で楽しく対戦できる人狼知能を作ることです。



相手を説得し、信頼を得るゲーム
かなり先までを见据えた计画を立ててプロジェクトを进めてきましたが、颁丑补迟骋笔罢などの大规模言语モデル(尝尝惭)の登场で环境が大きく変わりました。尝尝惭を使うことで、自然言语的なレベルでは违和感がなくなっています。しかし、「いかに相手を説得して信頼を得るか」という、人狼ゲームの面白さで一番重要なポイントの部分ではまだまだ。プロトコル部分で培ったものをどう组み合わせていくのかということがこれからの课题だと考えています。
私は础滨をどう社会に応用していくかといったことを研究してきました。人狼知能プロジェクトでは、いずれ来る础滨が嘘をつく时代に备えて、人间と础滨のあり方を明らかにしたいという思いもありました。想定していたのは「人间のためになる」と判断してつく嘘ですが、実际には、骗そうという意図もなく误情报をもっともらしく生成する「ハルシネーション」が起きています。人狼でいうところの「説得」と「信頼」が揺らいでいます。现在の情报社会では信頼性を见极め、情报を取捨选択することが非常に重要ですが、情报の推荐システムなどにも础滨が使われていたりする。何らかの意図をもった础滨が导入されると、思考が歪められる可能性もあります。どう解决していけばいいのか。それが今の大きな社会课题で私も取り组んでいるところです。
- 鸟海先生の推しゲー
- 『』(株式会社ポケモン)
「カードが封入された袋を开ける时のドキドキ感や、いいカードを当てたときの反応も含め、子供とのコミュニケーションツールとしても有用です」
- 『人狼知能 — だます?見破る?説得する人工知能
』(鸟海不二夫ほか共著、森北出版、2016年) - 人狼ゲームの详细な説明から、自然言语処理やエージェントロボット开発などの研究まで「人狼知能プロジェクト」を绍介する一册。


