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経产省官僚から、人を育てる大学人に。「プラグマティック」に地球の未来を考える。| UTOKYO VOICES 047

掲载日:2019年3月20日

UTOKYO VOICES 047 - 公共政策大学院 教授 有馬 純

公共政策大学院 教授 有馬 純

経产省官僚から、人を育てる大学人に。「プラグマティック」に地球の未来を考える。

小さい顷から本を読むのが好きで、ルパンやホームズのシリーズ、少年少女文学全集など、学校の図书馆にある本を片端から読みまくっていた。高校时代は、大学で西洋史を学んでいつかはそこで教鞭をとりたいと考えたが、「好きな文学や歴史で食べていくのは大変」と、东大文科二类に进学し経済学部を选択。いつしか「国のために働いてみたい」と思うようになり、守备范囲が広くいろいろな経験ができそうな通商产业省(现?経済产业省)に入省した。

以降、国际エネルギー机関(滨贰础)国别审査课长、経済产业省资源エネルギー庁国际戦略担当参事官、大臣官房审议官地球环境担当、日本贸易振兴机构ロンドン事务所长などを歴任。异动が多い官僚には珍しく环境?エネルギー畑のスペシャリストであり、计15年弱、4度に及ぶ海外勤务を経験した国际人でもある。「上がそのように意図して育ててくれて感谢している」と振り返る。

2015年8月から「研究休职」の形で东京大学公共政策大学院に出向し、いわゆる「実务家教员」として环境?エネルギー政策の授业を受け持つようになった。新たなフィールドで人を育てることにやりがいを覚えた有马は2018年春に経済产业省を辞し、现在は正式に东大公共政策大学院の教授となっている。

そんな有马のキャリアの中でもハイライトといえるのが、计14回参加した気候変动枠组条约缔约国会议(颁翱笔)における交渉だ。2016年の颁翱笔16では首席交渉官として参加し、「日本はいかなる条件であっても京都议定书の第2约束期间(2013年以降)には参加しない」との立场を初日に表明した。

世界の温暖化対策交渉においては、颁翱2排出削减努力を一部の先进国に押し付ける形で进んできた経纬があり、中でも「京都议定书」は米国が离脱し、中国等の途上国は义务を负わず、贰鲍は追加的努力なしで目标达成可能で、日本だけが负荷を担う内容となっていた。もともとエネルギー効率が高い日本がさらに追加削减をしようとすれば莫大なコストがかかり、メリットは少ない。

その一方で「日本生まれの京都议定书を守れ」という情绪的な意见は国内でも根强く、この议定书の存在に日本は长らくがんじがらめになってきた。しかし当の日本がそれにノーを突きつけたことが契机となり、世界の温暖化対策は「すべての国が参加して顽张る」というフレームワークに移行することになる。

温暖化交渉の场は互いの国益がぶつかり合う「武器のない経済戦争」であり、それぞれが课题を抱える中で、国としてどのようにコミットするか、建前と本音が异なるのも大きな特徴だという。

「外国は本当にしたたか。日本が京都议定书に缚られずに済むようになって本当によかった。国を代表する立场で、首席交渉官として最后まで意志を贯き通すことができたことは自分の夸り」と有马は言う。

国益を守りながら、地球全体の环境问题をどう解决していくか、持続可能でバランスのとれた政策を考えていく必要がある。官僚时代とは异なる「自由な立场」で、自らの実务経験からくる现场感覚を踏まえ、「现実を见据えた政策」を提言していきたいという。

自らを「プラグマティスト(実用主义者)」と语り、それゆえ「カッコいい话だけに飞びつくわけにはいかない」と笑う。国を背负い各国と渡り合ってきた有马だからこそ、日本という国の美点も弱点もよく见える。

「真面目さと、信頼を重んじる国家の品格をいつまでも大事にする国であってほしい。国の力を决めるのは人材なので、日本をリードし、国际的にも活跃できる活力のある人材育成に贡献したい」

日本の未来が明るければ、地球环境の未来もきっと明るいに违いない。

写真:(アイテム)公共政策大学院(GraSPP)のbest professor awardの表彰楯)

Memento

公共政策大学院の卒業予定者の投票により、2018年度秋の「Best Professor Award」を受賞。「東大に来て一番うれしかったこと」であり、書棚の目立つ場所に表彰楯を飾っている。「疲れたなと思うと、これを見上げて励みにしています」

Message:Keep Calm and Carry On

Maxim

第二次世界大戦時、イギリス政府が国民に向けて発信したスローガン「Keep Calm and Carry On―何があろうと冷静に自分のやるべきことをやり続けろ」。不快な状況下でも常に平常心で耐え抜くイギリス人の粘り強さや底力がよく出ている言葉であり、「自分もそうありたい」と座右の銘にしている。

プロフィール写真

Profile
有馬 純(ありま?じゅん)

1982年、东京大学経済学部卒业后、通商产业省(现?経済产业省)入省。在ケニア日本国大使馆一等书记官を経て、2002年に国际エネルギー机関(滨贰础)国别审査课长、2006年に资源エネルギー庁国际课长、2007年に国际交渉担当参事官、2008年に大臣官房地球环境担当审议官、2011年に日本贸易振兴机构(ジェトロ)ロンドン事务所长を歴任。2015年8月より东京大学公共政策大学院教授。主な着书に『精神论抜きの地球温暖化対策―パリ协定とその后』(2016年、エネルギーフォーラム)、『地球温暖化交渉の真実―国益をかけた経済戦争』(2015年、中央公论新社)など。

取材日: 2019年1月8日
取材?文/加藤由纪子、撮影/今村拓马

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