鉱物を用いて中性の水から电子を取り出す プロトン移动制御によるマンガン系触媒の活性向上
东京大学大学院工学系研究科桥本研究室の桥本和仁教授らは、理化学研究所环境资源科学研究センター生体机能触媒研究チームの中村龙平チームリーダーと、山口晃大学院生リサーチ?アソシエイトと共同で、植物などの光合成/水分解の仕组みを利用することで、中性の水を分解して电子を取り出す「人工マンガン触媒」の开発に成功しました。

© 2014 中村 龍平
(左)自然に豊富に存在するマンガン鉱物(ホランド鉱)の主成分である酸化マンガンを人工マンガン触媒として用い、プロトン移动が诱起可能な塩基の存在下、水の酸化反応を行った。(右)酸化マンガンは、构造の真ん中がトンネルのように空いた构造(トンネル构造)を有する。
水分子は自然界に最も豊富に存在する电子源の1つであり、水素または有机燃料の製造を担う重要な化学资源です。自然界では植物などの光合成生物がマンガンを含む酵素(生体マンガン酵素)を利用して水から电子を获得し、その电子を用いて二酸化炭素から炭水化物を作り出しています。これまでこの植物の水を分解する酵素の构造を模倣し、水から効率よく电子を引き抜く人工マンガン触媒の开発が行われてきました。人工マンガン触媒は、强酸や强アルカリ环境では効率よく水から电子を引き抜けますが、中性环境では活性が大きく低下します。人工マンガン触媒が中性环境で駆动しない理由や、生体マンガン酵素と人工マンガン触媒の活性の违いの起源については不明のままでした。
共同研究グループは、中性环境における生体マンガン酵素と人工マンガン触媒の活性の违いとして电子/プロトン输送の机构の违いに着目し、人工マンガン触媒の电子/プロトン(水素イオン)输送の経路を调べました。その结果、水分解过程(2贬2O → O2 + 4e- + 4H+)において、生体マンガン酵素では电子とプロトンが同时に移动するのに対し、人工マンガン触媒では、电子とプロトンが个别のタイミングで移动することを突き止めました。この结果に基づき、共同研究グループは、人工マンガン触媒にプロトン受容能力が大きい塩基を添加し、电子とプロトンの移动タイミングを调整しました。その结果、中性环境における水分解活性は15倍増大し、强アルカリ环境で得られる値の60%にまで到达しました。
今回の研究成果は、豊富に存在する水を電子源とした低環境負荷の燃料製造につながると期待されます。本研究成果は英国のオンライン科学雑誌『Nature Communications』(6月30日付)に掲載されました。
论文情报
Akira Yamaguchi, Riko Inuzuka, Toshihiro Takashima, Toru Hayashi, Kazuhito Hashimoto and Ryuhei Nakamura,
“Regulating Proton-Coupled Electron Transfer for Efficient Water Splitting by Manganese Oxides at Neutral pH”,
Nature Communications Online Edition: 2014/6/30 (Japan time), doi: 10.1038/ncomms5256.

