糖心破解版

东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

ジオメトリックな模様の表紙

书籍名

日本社会とポジショナリティ 冲縄と日本との関係、多文化社会化、ジェンダーの领域からみえるもの

着者名

池田 緑 (編著)

判型など

496ページ、四六判

言语

日本语

発行年月日

2024年4月30日

ISBN コード

9784750357546

出版社

明石书店

出版社鲍搁尝

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ポジショナリティとは、集団に起因する不平等や差别、それが个人同士の间で现れる诸相を捉える视点である。すなわち、集団に属することで个人に存在している政治的な位置性、また、集団に属することで个人に存在している利害などを分析する概念である。本书は、ポジショナリティの视点から、冲縄と日本との関係、性差やジェンダー、多文化社会化など、定量的调査を含む现代日本の具体的な事例から动态を読み解き、状况変革への共通了解と协働条件を提示する初の书籍である。
 
ポジショナリティという用语が日本社会で使用されるようになってから20年以上たつが、学术的概念としては発展途上にある。他方、近年ポジショナリティは注目されるようになり、ポジショナリティの视点から诸现象を捉えようとする动きもみられる。ジェンダー领域や冲縄と日本の関係をめぐる领域ではこれまでポジショナリティについて活発に议论されてきた领域である。本书で提示するように、ポジショナリティは、问题発见型概念という侧面があるが、それは知られていなかった问题を発见するというよりは、すでに知られている问题を新たに定义づけ、再解釈する枠组みとしてより有効に作用するといえる。そのような作业をさまざまな领域の研究として行い、同时に多くの人々の経験から再构成することによって、社会を変革する条件を明らかにすることが可能と考えられる。また、异なるポジショナリティにある人々がその违いを越えて、状况の変革や権力の解消に向けて、共通の了解を形成し、协働する基盘を準备することが可能となる。日本と冲縄の関係、性差やジェンダー、多文化社会化など、现代日本社会をとりまく様々な问题を考える际に、ポジショナリティを使用することで异なる状况が见えてくることを意図している。
 
本書は、序章を除き5部構成となっている。第1部と第5部ではポジショナリティの総論的な議論を行い、第2部から第4部では、個別の領域に即した議論を行っている。これは日本では、ポジショナリティの議論が日本と沖縄の関係 (第2部)、ジェンダー領域 (第4部) を中心に展開されてきたことにも関係している。第3部は、今後ポジショナリティに関する諸問題が噴出されると予想される領域である。また第5章、第6章、第9章の3つの付論では、2019年の量的調査結果の一部を紹介している。
 
筆者は第4部ジェンダー領域の第8章「DVとポジショナリティ―支援者と被支援者の関係性に着目して」を執筆した。DV被害者支援に携わる被支援者 (被害者) と支援者という関係性に着目し、被支援者が離脱困難な位置に置かれるのに対し、支援者は離脱が可能な位置にあるという、離脱可能性における非対称性について論じた。ポジショナリティは双方が集団と結びついているときに立ち現れるが、支援者が離脱可能が容易な場合においてもポジションにかかわる問題は存在しうる。そのような関係性は社会においても多くみられる。ポジショナリティを通して、被支援者と支援者の関係性における権力作用を分析することは問題をより一般化する論点を提示する。
 
不平等を解消しようとしている人との间でもしばしば断絶や齟齬が起こる。ポジショナリティを理解し、考虑に入れることで、深刻な齟齬を引き起こさないようにすることも可能である。加えて、相互のポジショナリティの相违を共通认识として共有したうえで、それを変えるという意志も共有することが肝要である。本书を通して、ポジショナリティの问题を考える契机となれば幸いである。
 

(紹介文執筆者: 多様性包摂共创センター 特任准教授 小川 真理子 / 2025)

本の目次

序章 日本社会におけるポジショナリティの諸問題[池田 緑]
 
第1部 ポジショナリティという&濒诲辩耻辞;问题&谤诲辩耻辞;
 
第1章 ポジショナリティの構造と現れ[池田 緑]
 
第2部 冲縄と日本をめぐるポジショナリティ
 
第2章 「日本人」と「冲縄人」――ポジショナリティ?アイデンティティ?政治的主体をめぐる一考察[高桥哲哉]
第3章 ポジショナリティ分析で何が分かるのか――「冲縄の基地问题」をめぐる「受益圏/受苦圏」概念を手がかりとして[桃原一彦]
第4章 「県外移设」の「留保なき拒否」で浮かび上がるもの――鹿野政直さんへ、カマドゥーからの手纸[知念ウシ]
第5章 当事者性の薄い问题に対するマジョリティとマイノリティの意识――在冲米军基地问题とジェンダー问题を中心に[玉城福子]
付论 「冲縄の米军基地问题」をめぐる冲縄社会と日本社会との齟齬――2019年定量调査の结果と分析から[桃原一彦]
 
第3部 日本社会の复数性とポジショナリティ
 
第6章 ポジショナリティを认识すること――多文化共生教育の観点から[山根俊彦]
付論 交流経験と外国人への差別意識[定松 文]
 
第4部 性差の诸问题をめぐるポジショナリティ
 
第7章 ジェンダー?イシューをめぐる相互行為をポジショナリティ论から読み解く[江原由美子]
第8章 顿痴とポジショナリティ――支援者と被支援者の関係性に着目して[]
第9章 育児をめぐる世代間の対立はなぜ起こるのか――ポジショナリティの視点からの考察[仁科 薫]
付論 ジェンダー?バイアスの源泉を探る[定松 文]
 
第5部 ポジショナリティの可能性
 
第10章 権力関係を露現させる用語とポジショナリティ――「人材」の使用をめぐって[定松 文]
第11章 ポジショナリティ研究の視点と方法――経験的概念という枠組みから[池田 緑]
 
 あとがき
 

関连情报

书籍绍介:
ポジショナリティの相违を超えた共通の了解や协働はいかに可能なのか? (『じんぶん堂』 2024年6月12日)

 
新刊 (『毎日新闻』 2024年6月5日)

 
シンポジウム:
シンポジウム「ポジショナリティと日本社会~日冲関係?ジェンダーを中心に~」 (ポジショナリティ研究会シンポジウム実行委员会 2022年3月6日)

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